100歳の少年と12通の手紙:世界的ベストセラー小説の映画化作品

余命12日の宣告を受けた10歳の少年オスカーが問いかける人生の意味

アミールの好演が光る

物語の舞台は難病を患った子供たちが多く入院しているフランスのとある病院。小児白血病との闘病生活を送っていた少年オスカー(アミール・ベン・アブデルムーメン)は、僅か10歳にして自分の余命が12日しかないことを知る。

オスカーに真実を悟られまいと両親、そして医師までもが彼の病気に関しては口を濁し、腫れ物を触るような態度で彼に接する。彼だけがどんなイタズラをしても怒られない…。それは大人たちの気遣いなのだが、死の現実を冷静に受け止めたオスカーにとって、正面から向かい合ってくれない彼らの態度にウンザリして、心を閉ざしてしまう。

そんな彼に唯一真正面から向き合ってくれるのが、病院内で偶然に知り合った宅配ピザ屋の女主人ローズ(ミシェル・ラロック)だった。ローズに接する際のオスカーが少年本来の姿であることに気づいた病院の院長(マックス・フォン・シドー)は、ローズに対して毎日ピザを注文する代わりに、オスカーと会ってくれるようにお願いをする。

大晦日までの12日間毎日、オスカーの元を訪れることになったローズは、残された1日を10年と考えて過ごすこと、そして毎日神様に手紙を書くことを教えるのだった。初めての恋、結婚、試練、最愛の妻との別離…その日からオスカーは、病院の中で1日ごとに10年分の人生を体験していく。

「思春期で苦難の世代です」という1日目(10代)から始まるオスカーの手紙。2日目になると重病の女の子と恋に落ち、結婚し、人生の喜怒哀楽を綴るオスカー。60歳のオスカーが自分の一生を振り返ってみたり、70歳のオスカーが人生の意味を見出したりと、10代で全てを達観したような語り口になるなど、切なさの中にも暖かい微笑がある。

原作はフランスを代表する劇作家、エリック=エマニュエル・シュミット。本作品でも自身が監督・脚本を手がけている。自らの死をしっかりと受け止めながらも、最期まで前向きに生きるオスカーを通じて、人生の意味や生きる尊さ、いかに満足して死を迎えるというテーマは小説も映画も同じだが、登場人物の設定に違いがある(ex:原作ではローズはピザ屋ではなく病院のボランティア)ため、DVDを見た後でも原作は十分に楽しめる。もちろんその逆もOK。